愛知県議会議員・知多大二郡(武豊町・美浜町・南知多町)

森下とし久
政策

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◯二十七番(森下利久君) 通告に従いまして、質問をいたします。歳出第八款農林水産費第四項農業用水費のうち、愛知用水事業について質問をさせていただきます。
  愛知用水は、昭和三十六年九月三十日の通水開始からことしで五十周年を迎えます。愛知用水が来る以前、私の地元の南知多町師崎では、水源は数少ない共同井 戸であったために、慢性的な水不足に悩まされておりました。まだ子供であった私は、その井戸に行列をつくって水をくみ、家まで運び、水がめにためるという 大変な作業が日課になっていたことを記憶いたしております。五十年前、私が十九歳のとき、水道の蛇口から初めて愛知用水の水が出たときの感激を今でも忘れ ることができません。
 また、愛知用水は、生活水準の向上という面だけではなく、産業においても大きな恩恵をもたらしております。農業用水につい ては、通水が始まると効果はたちまちあらわれました。水田では、雨やため池だけに頼っていたときに比べ、十分に水を使えるようになったため、一反当たり五 俵程度しかとれなかった米の収量は、現在では安定して八俵程度とれるようになりました。ひどい干ばつの際には二俵もとれない年もありましたので、その効果 は絶大であったと言えます。また、畑では、ミカンの栽培が盛んになり、愛知用水はオレンジ運河とも呼ばれておりました。
 さらに、南知多町では、昭和五十一年から国営農地開発事業により三百ヘクタールを超す畑地が造成され、花卉や野菜など高収入な作物が作付できるようになりましたが、それも愛知用水の水があるからこそ実現したものであります。
 一方、工業用水についても、愛知用水の水が工場誘致の呼び水となり、名古屋港臨海部へ新日鉄や大同製鋼などの大企業が相次いで進出をし、今やこの地域は中京圏工業地帯の中核をなすまで飛躍的な発展を遂げております。
 そこでお尋ねをいたします。
 この五十年間に愛知用水が果たしてきた功績について、県はどのように評価をしておられるのかお伺いをいたします。
 次に、愛知用水に対する私の思いを述べさせていただきますとともに、私と同じ年である、あるいはそれよりも年配の方は、常に水の恵みはもとより、愛知用水をつくっていただいた先人の御努力や、その偉業に心から深く感謝をいたしております。
 しかし、今日、愛知用水が通水をし、昭和三十六年以後に生まれた人たちが大半を占め、蛇口をひねれば水が出るようになっておりますので、水の恩恵に対する感謝の念は大変希薄化しているのではないかと強く感じております。
 思い起こせば、平成六年の大渇水では、この地域の多くの人々が長時間の断水を経験したにもかかわらず、のど元過ぎれば熱さを忘れると申しますか、いつの間にか水はあるのが当たり前との認識に戻ってしまっているようであります。
 ましてや、平成六年の断水を経験していない年代は、既に高校生になっております。未来を担う世代が、このように愛知用水のありがたさを全くと言っていいほど感じていないことは、非常にゆゆしき事態と言わざるを得ません。
  こうした中、昨年十月、南知多町先端の師崎港から長野県の大滝村にある愛知用水の水源、牧尾ダムまで約二百キロの道のりをのぼりを掲げ、延べ八日間かけて 歩く愛知用水人の旅が行われたと新聞で知りました。これは、愛知用水土地改良区が呼びかけ人となり、愛知用水や水源地への思いを再認識しようと、愛知県や 水源機構の関係者など、延べ百三人が参加をしたと聞いております。
 また、南知多町は、愛知用水と同じく、ことし町制五十周年を迎え、五月下旬か ら記念行事を予定しております。その中、愛知用水に関する展示なども行うと聞いております。これは、南知多町の発展に愛知用水は欠かせないものであり、愛 知用水への感謝の念を次の世代につなげていこうという思いから実施されるものと聞いております。
 こうしたことを初めとして、愛知用水の受益市町 村や土地改良区、上水道、工業用水道の受水団体では、通水五十周年を機に、愛知用水への感謝の念をいま一度確認するとともに、地域の方々一人一人に対して も、愛知用水の重要性、水源地からの恵みをしっかりと伝えていきたいとの機運が、大いに高まっておるところであります。
 そこでお尋ねをいたします。
 愛知用水通水五十周年という記念すべき年を迎えるに当たって、県としてどのような取り組みを考えておられるのかお伺いをいたします。
 水源資源の管理について、歳出第八款農林水産費第六項水産業費第二目水産業振興費に関して質問をいたします。
  伊勢湾、三河湾は、古来より魚介類の宝庫として知られ、豊かな海や川の恵みを享受してまいりました。現在でも、本県は多くの魚種で全国有数の産地であり、 平成二十年には海面漁業、養殖業の生産量はおよそ十一万トンで全国第十四位であるものの、漁業種類別では船引き網漁業による漁獲量が全国第一位、魚種別で は、シラス、アサリ類の漁獲量が全国第一位となるなど、沿岸区を中心に特色ある水産業が営まれております。
 水産業は、良質で多様な水産物の安定供給を通して、健康で豊かな県民の食生活に貢献をいたしており、食の安全性への関心が高まる昨今では、新鮮で安全・安心な水産物を食卓へ届ける役割を担う本県水産業の役割は一層高まっていると思います。
 しかし、海の魚はだれのものでもないことから、昔から、親のかたきと魚は見つけたらとれと言われ、漁業者は、とり過ぎるから減るとわかっていても、人にとられるくらいならとってしまえになりがちです。
 しかしながら、水産資源は、石油や石炭などの鉱物資源と違って、適切な管理により上手に利用すれば持続的に利用できる再生可能な資源であります。
 こうした中、昨年十月に本県で開催されましたCOP10で採択された愛知ターゲットの目標の一つに、二〇二〇年までに水産資源の持続管理により過剰漁獲を避け、生態系などへの漁業の影響を生態学的な安全の範囲に抑えることが規定されております。
 そこでお伺いをいたします。
 本県では、具体的に水産資源の管理をどのように取り組んでおられるのかお尋ねをいたします。
 次に、農林水産省のホームページによりますと、漁業でも来年度から資源管理・漁業所得補償対策が講じられていると記載されております。資源管理・漁業所得補償対策の内容や、本県の役割についてお尋ねをいたします。
 以上です。

◯農林水産部農林基盤担当局長(青木章雄君) 愛知用水に関するお尋ねのうち、まずこれまでの愛知用水の功績に対する県の評価についてお答えをいたします。
 愛知用水は、農業、水道、工業の各部門にまたがる全国初の総合水利開発事業でございまして、いずれの部分においても大きな功績を上げたものと評価をしております。
 まず、農業におきましては、愛知用水の通水による安定した水の供給により、水田において、稲の収量を大幅にふやすとともに、畑においては、多種多彩な野菜や果樹、花卉などの作付を可能といたしたところでございます。
 また、安定した水源が確保されたことによりまして、議員お示しの国営農地開発事業以外にも、知多半島を中心に約四千四百ヘクタールに及ぶ県営圃場整備事業を初めとする基盤整備事業が計画的に実施され、生産性の飛躍的な向上がもたらされました。
 こうした成果を知多半島の農業産出額で見てみますと、愛知用水通水前の昭和三十五年に約五十四億円であったものが、平成十八年には約七・四倍の四百億円程度となっております。
 次に、水道用水におきましては、現在、約八十五万人の生活を支えるライフラインとなっておりまして、この地域が名古屋市近郊のベッドタウンとして、大きく発展する重要な基盤になったものと認識をしております。
  また、工業用水におきましても、愛知用水は、水を大量に使う鉄鋼業等の工場誘致を可能とし、名古屋市港区、東海市を初めといたします臨海工業地帯の製造品 出荷額を見てみますと、愛知用水通水当時の昭和三十六年に約二千四百億円であったものが、平成二十年には約二十倍の約四兆九千億円と著しい伸びを示してお ります。
 このように、愛知用水で大きな成功をおさめた総合水利開発事業は、その後、豊川用水や木曽川用水、矢作川総合用水等に受け継がれ、物づくり日本一の愛知を支える原動力となるとともに、県土の均衡ある発展に多大の貢献を果たしたものと高く評価しておるところでございます。
 次に、愛知用水通水五十周年の取り組みについてお尋ねをいただきました。
  世紀の大事業であり、本県発展の原動力となった愛知用水につきましては、建設に携われた先人たちの偉業をたたえ、水源地域の方々に感謝するとともに、未来 を託す若者たちに愛知用水に関する正しい理解と、感謝の念をしっかりと引き継いでいくことが私どもに課せられた重大な使命であると考えております。
  通水五十周年を迎える本年は、そうした取り組みを展開する絶好の機会でございますので、農業、水道、工業の各用水の受水団体や、管理者であります水資源機 構、あるいは関係市町、本県及び岐阜県が連携をいたしまして、より効果的な記念事業を展開すべく、九月下旬の記念式典を初めとしまして、幾つかの企画案を 持ちより、現在、検討、調整を進めているところでございます。
 議員お示しのとおり、若年層を中心に、水の恩恵に対する感謝の念が希薄化している 状況が見受けられますので、水源などの施設見学を通じて、愛知用水を直接見たり、触れたりしていただく企画や、テレビ、ラジオなどのメディアを通じた情報 の発信に特に力を注いでまいりたいと考えております。
 県といたしましては、地域の方々一人一人が愛知用水の重要性や水源地からの恵みを、しっかりと認識をし、愛知用水への感謝の念をいま一度思い起こしていただけるよう、通水五十周年の記念事業に受水団体、関係機関ともども取り組んでまいる所存でございます。

◯農林水産部長(小出茂樹君) 水産資源の管理に関しまして、二点御質問をいただきました。  まず、水産資源の管理についての具体的な取り組みについてでございます。  取り組みの一例といたしましては、小さな魚を保護するため、トラフグでは、七百グラム未満のものを海に戻すことや、アナゴでは、網の目を大きくすることで全長二十五センチメートル以下のものはとらない工夫、また、シャコでは、産卵前の親を保護するため、漁獲量の制限を行っております。さらに、全国的に優良な事例として常に取り上げられておりますイカナゴでは、関係漁業者が水産試験場の調査結果をもとに話し合い、一定の大きさ以上になってから漁獲を開始し、翌年の親として二十億尾以上を必ず残すことにより、資源の確保に努めております。なお、この愛知のイカナゴ漁業は、昨年三月、水産資源の保護と生態系の保全に積極的に取り組んでいる漁業であることの証である水産エコラベル認証を全国で四番目に受けたところであります。  今後とも、さらに多くの水産資源について、必要な調査や漁業者との協議等を進めてまいります。  次に、資源管理・漁業所得補償対策についてでございます。  来年度から国が始める資源管理・漁業所得補償対策の内容につきましては、漁業共済制度を活用いたしまして、計画的に資源管理に取り組む漁業者に対しましてのみ、漁業共済掛金の負担を軽減するというものでございます。  また、本県の役割でございますが、計画的に資源管理に取り組む漁業者のために、まず、県の資源管理の方針となる愛知県資源管理指針を策定し、その指針に従って漁業者が作成する資源管理計画についての指導や取り組みの評価を行うこととなっております。このような取り組みによりまして、水産資源の管理の推進や、漁業所得の安定を図ってまいります。  以上でございます。

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