愛知県議会議員・知多大二郡(武豊町・美浜町・南知多町)

森下とし久
政策

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◯二十六番(森下利久君) 通告に従いまして、これより二点質問をさせていただきます。
 まず、一点目、水産業の燃油高騰緊急対策について質問をいたします。
 我が国の一次産業は、原油価格の異常な高騰を受け、特に漁船漁業を中心に原油高コストで大幅にアップしたため、極度の経営悪化を強いられ、かつて水産大国と言われた日本の水産は存亡の危機にあります。
 政府は、我が国のエネルギー環境における国民の暮らしへの影響などを包括的に考えて、水産食料産業を維持存続をするため、新たな国家戦略を確立することが急務であります。
 我が国の食料事情は、農業基本法、水産基本法で一番目に食料自給率四〇%とされており、世界水準から見て先進国で最低の国であります。例えば、日本の魚消費を見ますと、約五割が輸入に頼っている現状であります。
 日本は、四方を海に包まれ、海洋国であり、経済水域も拡大であり、水産資源の適正な管理と培養に力を入れていけば、水産業は我が国の食料自給率の向上に貢献できるはずであります。
 今こそ政府は、国家百年の大計という観点から、原油高騰の苦境に立たされている一次産業の再生のために思い切った政策を断行すべきであります。
 漁業の危機は、私たちの食卓に直接関係する問題であり、県民も無関心ではいられませんし、もっと深刻なのは、新興大国の急成長による需要増が将来にわ たって続くと見込まれており、世界規模での価格競争への移行が起きていくと覚悟せざるを得ない状況となっております。
 だとすれば、原油高のもとで続けられるように、根本的に体質を変えていく以外に漁業を守る道はないのでしょうか。できるだけ乱獲を抑え、水産資源を守ることも大切であります。
 原油高という苦境は、世界じゅうどこの漁業も同じですが、日本食ブームもあり、世界的に魚需要がふえ、日本への食料の輸入価格も上がり、心配をいたして おります。漁業生産コストに占める燃料の平均割合は二割程度であったものが四割以上になっております。そうなると、魚を運んだり加工したりする加工流通産 業が崩壊するだけではなく、結果は魚の値段が上がり、消費者への家計にも大きく響くことになり、大変、経済危機、日本経済全体にも大きな影響が出てまいり ます。
 一九七〇年代までは、日本の魚介類の自給率一〇〇%を保っており、最盛期の一九八四年には千二百八十二万トンの漁獲量があり、世界第一位でありました。 その後、排他的経済水域(二百海里)の設定などで世界的な航海規制に加え、輸入品の増加で遠洋沖合漁業が衰退をし、漁獲量は五百七十四万トンまで下がり、 自給率も四四%まで落ち込み、最盛期の漁業生産額も年間三兆円が今は一兆六千億円と半減をいたしております。
 このような危機的な状況の中で、国内生産がだめでも輸入に頼ればいいという意見もあります。過去二十年の世界全体の魚の消費量は、日本では減る一方、EU欧州連合、米国では二割、三割増加をし、中国など東アジアは三倍にふえております。
 健康志向、世界の国々が魚を食べるようになり、その魚の世界消費量の推移を受け、日本が魚を買い負ける時代に入っております。日本は、中国やEUに買い負けをし、確保が難しい状況が起きております。
 こうした中、全漁連が七月十五日、全国一斉休業と危機突破全国漁民大会を開催をいたしました。二十万隻休業。この危機的な状況を皆さんに知ってもらうた めに、東京に三千人漁業関係者が集結をし、窮地を訴えました。一斉休業に参加した漁民から、このままだと魚をとる漁師がいなくなると深刻な様子を訴えてお ります。すぐにでも応急手当てをしないと日本の漁業が死んでしまう。制度がどうとかこうとか言っている状況ではない。燃油の高騰の影響は、最終的には国民 の大きな負担となることは間違いありません。
 資材や原料が値上がりをし、その中でいち早く漁業に支援策を打ち出したのは、それだけ漁業の窮地が深刻だからであります。コストに占める燃料代の割合が 五割になったら、漁に出ても赤字であり、四方を海に包まれている日本で、漁師が海に出られないなんて異常としか言いようがありません。
 この異常を解決するには、積極的な対策を打ち出す政治力しかありません。このままの状態だと、漁業者は廃業するしか方法はありません。魚の供給が途絶え るのではないかと心配する声もあります。現実は、国民に貴重な水産たんぱく源を安定供給できなくなるおそれが出てきました。とにかく、漁業者が漁に出られ ることを最優先に支援策を組み込み、この危機を脱するよう早急な対策を強く要望するものであります。
 この危機的状態の中で、再び水産業が注目をされ、安全・安心な食料の提供という観点から、今こそ燃油対策に万全を期していただきたいと思います。
 私は、水産政策の中で一番大事なことは、資源管理を挙げます。それも、沿岸の資源管理と藻場の再生が重要であります。藻場は、稚魚の産卵や育成の場所で あり、魚介類のえさ場でもあり、漁業再生のかなめであります。そこにつくり育てる漁業の放流事業を組み合わせていけば、間違いなく将来の漁業に希望と楽し みがわいてまいります。ぜひとも放流事業に県費の倍額をお願いをするものであります。
 こうした状況を受け、七月二十八日、水産庁が発表した燃油高騰緊急対策費七百四十五億円は、一見、ほかの産業から見れば、うらやましい、漁師はうまいと 言われておりますが、この内容をよく分析しますと、大型船が優先で、愛知県の漁業者にとって取り組みにくい内容となっております。効果のない予算であると 思います。
 まず、一点目、八十億円の燃油費増加分九〇%の補助制度は、漁業者がグループ操業の合理化によって燃油使用量を十%以上削減するような操業を行い、前年 度の水揚げ高を下回った場合に、その前年度の比、燃料の差額分九割を助成をするという制度であり、愛知県のように小型船の多い県では対象外となり、制度的 に利用できない内容であり、県内ではごく一部の漁業者しか対象にならない大型船対応であります。
 二点目の省エネ策、無利子融資二百億円は、省エネエンジンの買いかえのため、無利子五年制度であります。この制度は、今使用しているエンジンをわざわざ 一〇%から一五%の省エネのために一千万円以上もかけて、幾ら無利子とはいえ、買いかえるほど経営状態はよくありません。この制度もごく一部の対策であり ます。
 三点目の休業と減船支援予算六十五億円は、水産資源を回復するため、または遠洋マグロ等の国際操業規制に基づく休業や減船に対する支援でありますが、多 くの漁業者が既に自主的な休業を行っている上に、さらにどのように休業するのか、だれが減船をするのか、すぐに調整をすることは困難であります。
 最後の四点目、流通対策のてこ入れによる漁業者の手取り確保対策の予算四百億円は、今回の七百四十五億円の五四%に当たります。水揚げをされた魚を漁協 が買い取り、小売業者へ直接販売をして、流通コストを削減することにより漁業者の手取り分をふやすため、漁協の買い付け基金等について助成するものであり ます。しかし、本県においては、このような直接買い付けする漁協はなく、本県では市場条件が違うため、この制度は適用されません。
 このように、今回の緊急対策について、本県漁業者が取り組みにくい内容が多く、活用しにくい予算であると言われることも確かであります。愛知県の沿岸漁業者には不満であり、理解できない内容であります。
 政策というものは、平等に漁業者の大型・小型船にかかわらず対応すべきで、例えば、A重油一リットル十円でも二十円でも値下げできるような、直接漁業者 にとって手の届くような、簡単なだれにでもわかりやすい制度でなければなりません。国策ならば当然皆さんにわかりやすく、漁業者の大小にかかわらず、補助 制度でなくてはなりません。
 七百四十五億円の制度の中身をだれにでもわかりやすく、平等にすることが国民の信用と信頼につながり、それが政治であり、早急に見直しが必要だと思います。
 水産業の盛んな愛知県は、近海沿岸漁業が主体の漁業であり、愛知県では、サンマやサケはとれない。マグロ船もありません。国の緊急対策を活用できない漁 業者に対して、今こそ愛知県が手を差し伸べないと漁業の明かりは消えてしまいます。本県を取り巻く伊勢湾、三河湾は、古来より魚介類の宝庫と知られており ます。多くの魚種に恵まれ、全国有数の産地であり、沿岸域を中心に特色ある水産業が営まれております。今より漁業者の減少、廃業の危機に、近海漁業の存続 のためにも燃油対策を緊急にお願いをいたします。
 そこで、二点について質問をいたします。
 まず、一点目、七月二十八日に打ち出された七百四十五億円の燃油高騰水産業緊急対策事業費について、本県としてこれを活用するために、どのように関係者の皆さんに指導し、対応させたのか、お聞かせください。
 二点目、全国の中でも元気のある愛知と言われていても、燃油高騰で危機的な状況にある漁業者に対して、本県としてどのような独自な対策を打ち出していくのか、漁業者にわかりやすく、平等を基本とした緊急対策をお聞かせください。
 さらに、全国に誇るトラフグやシャコ、アサリなど特色ある愛知の漁業を守るため、毎回申し上げておりますけれども、沿岸漁業の資源管理と藻場や干潟の再生を初めとする本県の水産振興について、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。
 実のある答弁を期待をいたしまして、次の質問に移ります。
 飼料用稲とバイオエタノールについて質問をいたします。
 近年、地球温暖化や原油価格の高騰を背景に、今や世界じゅうでトウモロコシやサトウキビなどの食糧がバイオエタノールの原料として使用されるようにな り、とりわけ、輸入飼料は値上げに次ぐ値上げ、配合飼料が高騰し、酪農家や畜産農家は大変厳しい経営状況にあります。
 また、日本の食料自給率は四〇%で、先進国の中では最低であり、飼料自給率にあっては二五%にすぎません。特に輸入飼料は、トウモロコシの相場の影響を受け、価格が高騰し、畜産農家は窮地に至っております。
 そんな情勢を先取りし、三重県では、食用米から転作で飼料用稲の増産を図っております。三重県の鈴鹿市の田園地帯では、二〇〇四年から本格的に作付を転化をし、昨年二十二ヘクタールからことしは三十八ヘクタールに作付を急増いたしております。
 飼料用稲を作付している水田の大半は、高齢者農家や離農した不在地主など六十軒から借り受けたもので、飼料用生産量は年千三百トンであり、畜産農家十九 軒に販売をいたしております。価格は、キロ二十円程度と値段は安いのですが、国からの転作交付金や助成金で収穫機を購入したから採算に合うと言っておりま す。
 また、輸送費は、農家が運んでくれるから費用はかからないし、逆に牛ふんでつくられた堆肥を水田に肥料として使用をいたしております。
 近所の酪農農家で牛百二十頭を飼育している人は、輸入飼料とともに飼料用稲を食べさせていますが、昨年はえさ代が一キロ四十円であったのが、ことしは五 十円以上に値上がりをし、年八百万円のコスト増になるところが飼料用稲のおかげで助かっていると言っております。
 こうした耕畜連携は広がりを見せて、飼料用稲の栽培は三重県全体では百ヘクタールと四年前の十倍になっております。全国でも六千四百ヘクタール作付されており、二〇〇四年度の一・五倍になっております。
 私の住む南知多町でも、乳牛四百五十頭、肉牛四百五十頭の九百頭を飼育する酪農家がおります。先日、私の事務所へ参りまして、えさ代の値上げで資金繰り に困っていると相談に参りました。一日当たりのえさ代が五十万円になり、一カ月で千五百万円、一年で一億八千万円になり、悲鳴を上げております。一日十五 万円、一年で五千四百万円以上の値上げとなります。国の畜産酪農対策の都道府県酪農交付金を交付されることなどから、少しは影響が緩和されると聞いており ますが、これ以上値上げなら廃業するしかない。
 しかし、廃業するにも、平成十六年十一月一日までに家畜排せつ物の管理法の改正により、ふん尿の排せつ物管理施設を一億円をかけてつくり、その借金も返 せないのに、えさ代の値上がりで窮地に立たされており、今、廃業すれば、すべての財産を投げ打っても借金は返せない。資金繰りに頭を悩ませております。廃 業するにも廃業できない状況であり、ただ生きられる道は、えさ代が今よりももっと安くなれば経営ができるがと息を詰まらせておりました。
 そこで、飼料用稲の話をしたら、知多でもだれかつくってくれないかと関係者にお願いをしたいと一部の望みをかけ、期待をして帰ってまいりました。
 そこでお尋ねをいたします。
 飼料用穀物価格高騰により畜産農家は大変厳しい状況にあります。水田を利用した飼料用稲を普及拡大し、畜産農家のえさとしていくことが畜産経営に得策だ と考えます。飼料用稲の増産計画は県としてあるのか。窮地に立っている農家の資金面についても、支援するために本県はどのような対策を講じていかれるの か、お聞かせをください。
 一方、石油にかわるエネルギーとして、国内外の植物を原料としたバイオ燃料が注目をされております。国内においては、新潟県や北海道で米を利用した新たな取り組みとして、バイオ燃料の原料として稲の利用も進んでおります。
 ことし、新潟県の上越市で、農業・食品産業技術総合研究機構が飼料用多収穫品種として開発した北陸一九三号をバイオ燃料用の原料とするための栽培の研修を開始をいたしました。
 この北陸一九三号は、食用米のコシヒカリやこしいぶきに比べ、収穫は二割以上多く、稲わらの量も多いことから、全国から引き合いが相次いでいるそうであ ります。新潟県では、この北陸一九三号を米の転作物の一つの取り組みとして、ことし、バイオエタノール原料用に三百ヘクタールを作付をいたしております。
 また、この原料を利用するバイオエタノール製造施設が新潟市に十二月に完成の予定で、年産一千キロリットルエタノールを製造すると聞いております。この 米の一キロの売値は、ガソリンの市場価格をもとに決めるために、わずか二十円であり、経営的には難しく、転作の助成金を含め採算ぎりぎりですが、生産に携 わっている農家は、農業はお金だけを目的にやれる仕事ではないと言っておるそうであります。
 さらに、海外に目を転じますと、穀物などを原料としたバイオエタノールの生産が盛んに行われております。
 私は、機会を得、去る八月四日から十三日までブラジル海外研修に参加をいたしました。ブラジルは、日本の国土の二十三倍、人口は一億八千万人で、とても 資源の豊富な国であります。ブラジルは、数年前からサトウキビを原料としたバイオエタノールをアメリカに次ぐ世界第二位の百九十億リットルの生産国であり ます。
 こうしたトウモロコシなどの穀物やサトウキビなどの食糧をバイオ燃料の原料とすることに賛否が分かれているところであります。
 近年、新たに食糧と競合しないバイオエタノールの原料として、日本じゅうどこにでもあるススキとその草木が新たなバイオマスとして注目をされております。
 ことしに入って、アメリカのイリノイ大学と北海道大学が共同で、ススキの新品種をエタノール原料として研究を開始をいたしました。ススキなどの草木は、 発酵の簡単な穀物に対し、セルロースという安定的な糖度が多いものの、エタノールにしようとすると特別な前処理が必要となりますが、穀物を原料とするバイ オ燃料の代替にもなり、特にやせた土地でも育ち、繰り返し収穫ができ、手間がかからない特性を持っております。
 ススキは一ヘクタール当たり三十トンとトウモロコシの十八トンを大きく上回る収穫量があり、なお、農林水産省と経済産業省が連携をし、関連業界、研究機 構などで構成をするバイオ燃料技術革新協議会は、稲わらや雑草などのセルロース系原料を用いたバイオ燃料の生産拡大に向け、経済的かつ多量、安定的なセル ロース系原料からバイオ燃料等を効果的に生産する画期的な技術革新を目指し、ことしの三月、詳細な計画モデルをまとめたところであります。
 食糧と競合しない稲わらや草本など、地域で未利用となっている資源、いわゆるセルロース系バイオマスは、今後のエネルギー対策の核となるものであり、将来大いに期待できるものであります。
 そこでお尋ねをいたします。
 バイオエタノールの原料として、稲わらや草本など、地域で未利用となっている資源を活用していくことが大切だと考えますが、本県として、今後どのような取り組みをしていかれるのか、お聞かせをください。
 これで壇上での質問を終わります。明確な答弁を期待いたしまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

◯農林水産部長(永田清君) 水産業における燃油高騰対策についてのお尋ねのうち、まず、国の燃油高騰緊急対策についてお答えいたします。
 国の緊急対策につきましては、議員御指摘のとおり、燃油依存度の高い大型船による漁業が主な助成対象となっていることなどから、本県のような小型船中心の沿岸漁業では、全体として活用しにくい内容となっております。
 しかしながら、漁業者にとっては、燃油高騰対策は待ったなしの緊急課題であり、県といたしましても、漁業者の負担を少しでも緩和するために、国の緊急対 策を活用することが重要であると考えております。このため、県内の全漁協を対象とした説明会を開くとともに、各漁協に出向き、個別に指導を行ってまいりま した。
 その結果、燃油高騰分を国が補てんするという助成事業につきまして、これを活用しようとする漁業者グループも出てまいりました。
 今後は、この助成事業が採択されるよう、関係機関に強く働きかけてまいります。
 次に、県独自の対策についてお答えいたします。
 燃油高騰の高どまりにより、漁業経営はますます厳しさを増しており、燃油を節約する省エネ対策の推進は急務となっております。このため、十月から十一月 にかけて、省エネ対策普及月間を設け、講習会の開催や漁協に対する個別指導を通じまして、船のスピードを一ノット程度減速することや積荷の軽減など、きめ 細やかな対策について普及啓発に努めてまいります。
 さらに、省エネ効果が一〇%程度あると言われる船底塗装について、今回新たに助成を行い、漁業者にその効果を実際に体感していただき、省エネ対策の定着を図ってまいりたいと考えております。
 こうした普及啓発や実践的取り組みをあわせて実施することにより、漁業者の意識改革が図られ、省エネ対策が一層進むものと考えております。
 また、制度資金につきましては、国の緊急対策に対応しまして、十トン未満の漁船を対象とした沿岸漁業改善資金の融資枠を拡大してまいります。さらに、十 トン以上の漁船を対象とする漁業近代化資金につきましては、県独自の措置として末端金利を軽減してまいります。
 次に、飼料用稲とバイオエタノールについてのお尋ねのうち、飼料用稲の増産についてお答えいたします。
 本県の畜産業は、名古屋港を初め貿易港に恵まれ、安価な輸入飼料が安定的に確保できる立地条件を生かして、これまで発展してまいりました。また、稲作農 家においても、米の生産調整が進む中で、麦、大豆を中心に転作してまいりました。これらのことから、飼料用稲の作付は余り進んでおりませんでした。
 しかしながら、飼料用稲の収穫作業の技術体系が確立されたことや、少しでも飼料の自給率を高めるために、平成十八年三月に改定いたしました愛知県酪農肉 用牛生産近代化計画におきましては、新たに飼料用稲の導入を位置づけ、その目標面積を八十ヘクタールといたしたところでございます。
 この計画を達成するため、栽培技術の研修や収穫機械の導入支援などに取り組んでおりまして、この結果、飼料用稲の作付面積は、昨年度の三ヘクタールから今年度は二十四ヘクタールにまで拡大したところでございます。
 いずれにしましても、飼料用稲の増産につきましては、稲作農家の協力が必要でありますので、より一層の生産コストの削減や、国の交付金の活用を図って、 稲作農家の所得を確保するとともに、畜産農家との連携を推進いたしまして、その生産拡大に努めてまいります。
 次に、畜産農家の資金面に対する支援についてお答えいたします。
 配合飼料の価格は、トウモロコシ価格の高騰によりまして、ここ二年間で約五〇%も高騰しており、畜産経営は大変厳しい状況に置かれていると認識しております。
 畜産農家からは、経営の厳しさを反映しまして、県の低利な資金に多くの借入要望が出されており、特に短期運転資金においては、今年度の第一・四半期の融 資実績は五十三件、九億二千万円となっておりまして、前年同期の三十七件、六億四千万円に比較しまして、件数、金額ともおよそ一・五倍の大幅増となってお ります。
 このため、県では、飼料高騰等に対する緊急対策といたしまして、畜産農家が飼料代等の短期運転資金として利用できます農業経営改善促進資金の融資枠を十 億円から二十億円に、また、施設整備や子牛の購入等に利用できます農業経営基盤強化資金の融資枠を二十億円から四十億円にそれぞれ倍増いたしまして、資金 需要に対応してまいります。
 今後とも、必要な資金の融資枠を確保し、畜産農家が活用できるよう、融資制度の普及や相談活動を行うとともに、経営改善指導を行い、畜産農家の支援に積極的に取り組んでまいります。
 最後に、バイオエタノールの取り組みについてお答えいたします。
 植物を原料としたバイオエタノールにつきましては、石油にかわるエネルギーとして、国内でも実験段階から実用化までいろいろな形で取り組まれております。
 本県におきましては、昨年度、バイオエタノールの原料となる多収穫米を使って、現地栽培やバイオエタノールの製造試験などを実施してまいりましたが、ガソリン卸売価格の四・四倍になるなど、生産コストの低減が課題となっております。
 また、世界的な食料不足が懸念されていることもありまして、今年度は、食料生産と競合しない稲わらや果樹剪定枝、間伐材など、県内の未利用資源につい て、利用可能な数量を調査するとともに、これらを原料としたバイオエタノールの製造試験を行うこととしております。
 いずれにいたしましても、バイオエタノールの生産普及にはさまざまな克服すべき課題がありますが、地球温暖化の防止や循環型社会の形成に役立つととも に、農林業の新たな分野を開拓するものでもございますので、農林業の活性化につなげる視点に立って取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◯知事(神田真秋君) 水産業の振興についてお答えを申し上げます。
 愛知県は、伊勢湾、三河湾、渥美外海といった豊かな漁場に恵まれており、トラフグ、アサリなど、全国有数の漁業生産を誇っておりまして、特色ある漁業を営んでいるところでございます。
 県の立場でも、豊かな漁場を守るために、栽培漁業や資源管理型漁業、干潟、浅場の造成などをこれまで推進してきたところであります。こうした成果のあら われでございますけれども、トラフグにつきましては全国一の生産を誇っておりまして、この十月から解禁されますはえ縄漁でも、これは水産試験場の調査でご ざいますが、資源量も多く、ことしも全国一の水産水揚げが期待されているところでございます。
 また、今年度から、県単独の補助事業といたしまして、漁業者からの要望の大変強い魚の荷さばき施設の整備、あるいは燃油タンクなどの共同利用施設の整備 にも活用していただくことができる漁村活性化総合対策事業を創設し、強い産地づくりを推進いたしております。
 とはいえ、御指摘いただきましたとおり、昨今の燃油高でありまして、漁業経営は大変困窮をきわめております。このため、漁業者の皆様方の負担を少しでも 緩和するために、今回、漁船の底についたフジツボなどの生き物を取り除き、船底塗装を行うことで、これは船の抵抗を減らすものでございますが、省エネ対策 ということで緊急対策を講ずることにしたところでございます。
 さらに、省エネ型漁業への転換、あるいは地球温暖化に対応した中長期的な対策も必要になってまいりますので、水産試験場が中心となりまして、省エネ漁具 の開発、失われた漁場の再生、あるいは高温に強いノリの新品種の開発など、引き続き取り組んでまいる考えでございます。
 漁業は、食料供給に限らず、漁村を維持すること、海の環境を保つといった多面的な機能を有しております。こうした漁業や豊かな海を次世代に伝えることは 極めて重要であると認識しておりまして、つくり育てる漁業や、魚介類の生育の場でもある藻場や干潟の整備をしっかり行うことによりまして、本県水産業の一 層の振興を図ってまいりたいと考えております。

◯二十六番(森下利久君) 神田知事さん、あるいは永田部長さんからそれぞれ御答弁をいただきました。ありがとうございます。
 愛知県は、全国一元気な愛知と、こう言われておるわけでございまして、今、とりわけ、一次産業の農業、漁業が大変厳しい状況にあるわけでございますので、そうした中で、元気のある愛知でございますので、積極的な対策をお願いをいたします。
 そこで、二点要望させていただきます。
 今、一次産業が一番疲弊をしております。そこに手当てをしないと、注射を打ったような対策の七百四十五億円を打ち出しましたが、本県の漁業者にとっては 余り手の届かない対策で、漁業者が死んでしまうのではないかと心配をいたしております。すぐにでも本県が、本腰の対策を必要としておりますので、お願いを したいと思っております。
 そういう中で、制度がどうとかこうとか言っている場合ではないのではないかと。特に来年、国による法人二税の四百三十三億円が取られるわけでありますの で、なぜその資金を愛知県の困っている漁業とか畜産業を生かすための資金に使えないのか。他県の人が幾ら喜んでも、愛知の人が死ぬか生きるかでは何のため の政治なのか。県民が元気であってこそ愛知の県政だと私は思っております。私の言っていることは間違っているのでしょうか。県民の皆さんが苦労して稼いだ 県税をためて、県民のために使わないで、学校も欲しい、あるいは道路も何十年も見送られてきて、道路が欲しいと言っても、お金がないから我慢してきた県 民。それなのに、四百三十三億円を他県のために取られるのではなくて、こんなおかしな話があるわけでございますので、何とかそういうことを回避をして、愛 知県民のために使っていただくように早急な対策を要望いたします。
 それから、もう一つは、政府は毎年減反政策を行っております。減反政策をやめて、畜産農家の今後の安定経営のできるように飼料用稲の飼料対策を考えない と、輸入ばっかに、今、二五%しか自給率がないわけでありますので、そういう意味で、これから日本が、酪農家が生きていくためには、やっぱり日本でえさを 確保しないと生きてはいけないのではないか、そういうことで昼中の休みに農政議連もございました。二十一年度の要望活動の中にも、遊休地、いわゆる休耕田 を使って、飼料の確保が重要であると、こういうことを言っておりますし、また、今、大問題になっております、いわゆる汚染米、事故米ですよね。これをバイ オエタノールの原料として使用すれば、学校給食とか、あるいは食料に使用されず、事故米の事件は起きなかったのではないかと思われます。
 これからも安全・安心な食料自給率の向上には、目の届く愛知の農業、漁業が一層発展することが安全・安心の食料の確保につながると、こんなふうに思っていますので、愛知県として積極的な御支援をよろしくお願いを要望いたしまして、終わります。

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